失敗の原因をどう考えるかで、モチベーションは上がる【原因帰属】
夢や目標を持つこと自体は難しいことではありません。 しかし、達成するためにモチベーション(やる気)を持続することが難しいのです。
特に頑張っている過程で大きな挫折や失敗に何度も遭遇することになります。 この何度も訪れる失敗を乗り越えられるかが成功の鍵になるのです。
多くの人は挫折や失敗によって著しくモチベーションが低下します。 この低下したモチベーションをまた上げることがテーマになるわけです。
そしてその方法として多くの書物では「失敗に対する認識を変える」というアプローチが提唱されてきました。
例えば、
失敗は成功のための学びである!
という考え方です。 このように失敗に対する認知を変えるという方法は、昔からあるとてもオーソドックスな方法で悪い方法ではありません。
私のブログでも何度か同様の記事を上げています。
<参考>
失敗者と成功者の根本的な考え方の違い【スティーブ・ジョブスの名言から】
成功する人と失敗する人の差は解釈の違いにあった_アドラー心理学
しかし、最近、心理学の「原因帰属」という考え方を用いることによって、失敗に対する全く別のアプローチがあることを知り、新鮮な驚きを感じました。
今回は、この失敗を「原因帰属」の考えでとらえて、モチベーションの低下を防ぐ方法について紹介します。
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まず『原因帰属』とは❓』
私たちは生きていく中で様々な問題に遭遇します。 そしてそれらの問題には必ず「原因」が存在します。しかし、問題に対して原因は1つではありません。複数の原因が絡みあって存在しています。
そんな曖昧な因果関係を特定の原因に帰属することを心理学用語で「原因帰属」と言います。原因帰属理論を初めて提唱したのはオーストラリア出身の社会心理学者、フリッツ・ハイダーです。
その後ハイダーの理論の研究をさらに推し進めたのが、ベルナルド・ワイナーです。ワイナーは、ある課題を達成しようとした時の「成功」と「失敗」の原因として次の4つを想定しました。
この4つの原因を『 内的 』なものか『 外的 』なものか、『 安定的 』なものか『 不安定的 』なものかに分類しましした。
安定的とは変化しずらいもの、不安定的とは変化しやすいものと考えていいと思います。
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原因帰属で考える失敗した時のモチベーションの上げ方
例えば、Aさんが司法試験を受験して落ちたとします。 そしてAさんが落ちた原因をどう考えたらモチベーションが上がるのか、先ほどの表に沿って考えていきましょう。
試験が落ちた原因を自分の能力と考えた場合は、能力自体を変えるのは難しいと考えるので「そもそも自分には無理ではないか」という思考に支配され、気持ちは落ち込みモチベーションは底まで下がるという事になります。
<内的かつ安定的>
努力が原因と考えた場合は、努力が足りなかったということで多少の落ち込みはあっても、努力をすれば合格できるという希望がもてるので、モチベーションを上げることができます。
<内的かつ不安定的>
課題の困難さが失敗の原因と考えた場合は、原因が自分以外となるので落ち込むことはありませんが、しかたがないう想いがでるため、さらに頑張ろうというモチベーションは起きにくい状況になります。
<外的かつ安定的>
原因を運のせいにした場合は、運が悪かったのひと言ですんでしまうので落ち込みもしませんが、やる気もおきないという状況になります。
<外的かつ安定的>
結論として、失敗をした時にモチベーションを下げないでやる気を上げる方法としては、原因を自分の努力にあると認識することです。
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最期にひと言
多くの人が「失敗」という現実に負けてしまうのは、その原因を自分の能力や性格だと認識してしまうからです。
この性格ではどうしようもない
などと自己否定をしていると、モチベーションがあがらないばかりか、さらに自分を窮地に追い込んでしまいます。しかし、そこに真実はありません。
だから人生でどんな困難な壁が立ちふさがっても、自分自身を否定することなく全ては努力をもって解決できるという信念をもって行動していきましょう。
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