そのうつ病は甘えか逃げかも!?敗北を避けるために病気になる心理
2017/04/11
昔から病は気からといいますが、心の持ちようが病気に大きく影響することは昔から言われています。アドラー心理学でも「 人は時に敗北を避けるために病気なる 」と言っています。これは仮病とかいうものではなく、うつ病等の症状のある病気です。なぜ、「 敗北を避けるために自ら病気になる 」ことがあるのでしょう。今回はその心理に迫ってみたいと思います。
人は人生の敗北を避けるためには、全てのものを利用する
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アドラーは人間は「 人生の敗北を避けるためには、全てのものを利用する。 」と言っています。それだけ人間には負けたくないという気持ちが強いのでしょうね。そしてどうにもならない時には無意識的に病気を利用することもあると。例えば学校で酷いいじめを長く受けていれば、惨めさとともに、強い敗北感を味わいます。
いじめられても言い返せない弱い自分、自分ではどうしようもできない敗北感。こんなとき、頭が痛くなったり、腹痛を起こしたり、ひどい場合はうつ病を発症して不登校になる場合もあります。この場合、本人は無意識に行っているのでしょうが、学校が怖い、行きたくないという気持ちが病気を作り出すというのです。
なぜなら病気になれば、学校に行かなくて済む絶対的な理由になります。新人歌手がステージに出る直前で、本人は歌いたいのに、どうしても体が震えてしまって歌うこともできず、ライブが中止になったことがあるそうです。これも本当はステージで恥をさらしたくない等の気持ちがあって、本人が無意志的に体を震わせていたのです。
これらは、病気になれば学校や会社、舞台やステージなどに行かなくて済む。人前で無様な姿をさらすこともない、という心理が病気を作っているのです。これを心理学では「 疾病利得 」と呼びます
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過去の失敗経験などに力はない、未来に影響を与えるのは今この瞬間の行動
病気になることはつらいことですよね。しかし、人間にとっては惨めに敗北することの方が何倍も辛いのかもしれません。なぜなら病気を作ってまでも敗北を避けたいのですから。しかし、人によっては困難に直面しても、病気に等逃げようとせず正面から戦いに挑む人もいます。では、逃げようとする人はなぜ、そうするのでしょう。
それは過去の失敗経験をとうして、未来の失敗を予測しているからです。アドラー心理学では、過去の失敗経験など何の意味もないことです。もちろん知識として参考にすることはあっても、現在や未来に与える力はありません。ポジティブな未来(目的)に影響を与えるのは、今この瞬間の行動だけなのですから。
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