わたしはダメ人間! 常に悪い方に考える悲観的思考を止める10の方法
物事をいつも悪い方向に考えてしまう癖のある人は、頭の中に『悲観的思考回路』が作られてしまっているのです。この回路が作られていると、ネガティブな面ばかりにフォーカスして生きることになるので、悲観的で不幸な人生に支配されてしまいます。
悲観的な人生から抜け出すには、悲観的な思考回路を消して、その逆に楽観的思考回路を形成することです。
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目次
- 1 悲観的思考回路は認知の歪みが原因である
- 2 認知の歪みを是正して悲観的思考回路を止める10の方法
- 2.1 1.全てあるいは無の思考パターン(all or nothing thinking)
- 2.2 2.過度の一般化の思考パターン(over generalization)
- 2.3 3.心にフィルターをかけて思考するパターン(mental filter)
- 2.4 4.マイナス化思考という思考パターン(disqualifyng the positive)
- 2.5 5.結論の飛躍という思考パターン(jumping to conclusions)
- 2.6 6.拡大解釈と過小評価いう思考パターン(magnification and minimization)
- 2.7 7.感情の決めつけという思考パターン(emotional reasoning)
- 2.8 8.すべき思考という思考パターン(should statements)
- 2.9 9.レッテルを貼るという思考パターン(labeling and mislabeling)
- 2.10 10.個人化という思考パターン(personalization)
- 3 最後にひと言
悲観的思考回路は認知の歪みが原因である
悲観的思考回路は、主に幼少期から10歳くらいまでの間に受けた親や周りの大人から受けた教育環境や自身の経験に基づいて形作られてしまった悪い考え方の癖です。
この悲観的思考回路は、認知のゆがみが原因であるとされています。例えば仕事ががうまく運んだ時に、その原因を自分の才能や努力の結果ととらえずに、たまたま運がよかっただけと考えるような場合です。
正当な自分の実力や努力を評価できないのは、あきらかに認知のゆがみです。悲観的思考回路を止めるにはこの認知のゆがみを是正する必要があるのです。
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認知の歪みを是正して悲観的思考回路を止める10の方法
心理学者であるデビット・D・バーンズは、認知のゆがみのパターンを10個のパターンに分類しました。悲観的思考回路のある人は、この10パターンの認知のゆがみに必ず該当するでしょう。10個のうち、いくつに該当するかは個人差があると思いますが、該当するパターンが多いほどより悲観的であるということになります。
次にバーンズの認知のゆがみ10パターンを紹介しますので、自分の誤った思考に該当する認知のゆがみのパターンを見つけて、是正するようにしましょう。
1.全てあるいは無の思考パターン(all or nothing thinking)
これは非現実的な完全主義者の誤った思考パターンです。 100点でなければ許さないという考え方です。少しでも欠点が見えれば、もうダメと考えてしまうのです。そもそも世の中には完ぺきなものなんてありません。
この誤った思考にとらわれている限り、永久に満足を得ることがえきません。常にダメな自分というレッテルを張り続けることになるのです。
< 完ぺき主義から抜ける思考法 >
減点法から加点法で物事を見るようにしましょう。欠点や短所ばかりに気を取られるのではなく、良いところや長所に目を向けましょう。合格点を100点ではなく、60点に設定しましょう。 あるがままの自分を認めて背伸びして生きることをやめましょう。
そして完ぺきという幻想を捨てましょう。昨日の自分よりも一歩でも成長できることを目標しましょう。
2.過度の一般化の思考パターン(over generalization)
過度の一般化とは、個別の一つの経験を一般的な法則のように広範囲にとらえてしまうことです。例えば、期末試験の国語で悪い点を取ってしまったとします。
この時にきっと英語や数学などの他の教科も悪い点になってしまうのではないかと思ったり、一つの仕事で失敗したら、次の仕事も失敗してしまうだろうと思ってしまう思考です。
どんな失敗もそれぞれは内容も違うし個別の経験であるはずなのに、1つの失敗をしたら10の失敗をしてしまうのではないかと思う悲観的な誤った思考です。
< 過度の一般化から抜ける思考法 >
まずは失敗を恐れないことです。成功者には失敗という認識はありません。失敗はあくまでも成功の過程にすぎません。失敗は成功するための一つの勉強に過ぎないのです。失敗に対する恐怖をなくすことができれば、失敗が連鎖するのではないかという誤った認識から解放されるでしょう。
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3.心にフィルターをかけて思考するパターン(mental filter)
「物事をすべて悪い方向に捉える」というフィルタ―を通して思考してしまう誤った思考パターンです。この思考パターンだとあらゆる物事がつまらないことのように思えてしまいます。友達と遊ぶのも時間がもったいないし、気を遣うばかりで楽しくない。
普段であるなら楽しいはずのライブに行くのも、お金ががかかるし遠くまでいくのがめんどくさいなど、全てを悪い方向に考えるために人生が灰色に見えてしまいます。
これはまさに「うつ」的な症状であり、放っておけば何にも興味を示さない、何にもやりたくないという「うつ病」に移行する危険さえあります。
<物事を良い方向に考える思考パターンを作る >
物事に対して、ネガティブな思考パターンが発生したら、まず、メモに書きだしましょう。その次にその物事に対するポジティブな面を書き出してみましょう。
例えば、友人にライブに行こうと誘われた場合にネガティブな思考パターンの人は次のように考えるでしょう。
<ライブに誘われた時のネガティブな思考>
1.場所が遠いので行くのが億劫である。
2.気疲れしそうで行きたくない。
3.ライブ会場は立ちっぱなしで疲れるだけだ。
そうしたら今度は、ライブに行くことへのポジティブな面を少し強引でもいいので、書き出してみましょう。コツとしては元気な自分だったらどう考えるだろうと論理的に考えてみましょう。
たとえば、こんな感じです。
<ライブに誘われた時のポジティブな思考>
1.好きなアーティストなので、ライブ音楽を聴くのは楽しみだ。
2.友人と会うのは久しぶりなので、いろいろ話をしてみたい。
3.ライブ会場で盛り上がってみたい。
このように書き出して比較することで、いかに自分がネガティブ思考に陥っているかが客観的に見ることができます。そしてポジティブな思考として書き出したメモを何度も声を出して読んでみます。このようにすることで、よりポジティブな面を意識することができるようなるでしょう。
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4.マイナス化思考という思考パターン(disqualifyng the positive)
自分にとって良い出来事や中立的で良くも悪くもない出来事を、自己否定的なマイナス方向にすり替えてしまう思考パターンです。
たとえば家族や友人が自分に愛情や思いやりを示しても、自分に対する愛情は偽りであり、世間体やプライドを守るための偽善に過ぎないと考えてしまいます。
つまり、自分に対する愛情や思いやり、賞賛といった自分にプラスになる現象も全てマイナス化して受け取ってしまうのです。これでは自己肯定感は低くなるばかりです。
< マイナス化思考という思考パターンから抜ける方法 >
マイナス化思考は、物事をマイナスに評価してしまう思考の癖です。これはすでにその人のライフスタイルに定着しているので、簡単には修正できませんが根気よく思考の癖を直していけば不可能ではありません。
まずは、自分の思考を客観視することです。 マイナス思考に陥る自分を見つめるもう一人の自分を作りましょう。そして、自分がマイナス化思考に陥ったら、意識的にその思考を反転させてプラス化思考をするようにしましょう。
例えば、ある仕事で上司に褒められたとしましょう。マイナス化思考の人は次のように考えるでしょう。
<マイナス化思考>
同僚でもすでに達成している人もいるし、大したことではない、お世辞に過ぎない
↓
<マイナス化思考> を <プラス化思考>に逆転する
小さな成功ではあるが確実に成長している。上司も正当に評価してくれている。
5.結論の飛躍という思考パターン(jumping to conclusions)
事実とは全く異なる悲観的な結論に飛躍してしまう思考パターンです。例えばあなたが友人に挨拶を無視されたとします。もし、あなたが悲観的思考回路の持ち主ならば、次のように考えるでしょう。
「きっと彼はわたしに不満がるのだろう。わたしは彼に何かをしたのかもしれない。それで彼は怒っているに違ない。もう彼は私のことを嫌いになっているに違いない。」
物凄い悲観的な結論ですよね。たった1回の挨拶を無視されただけで、ここまで飛躍するのですから、恐るべし悲観的思考です。このての思考は、思い込みによる根拠のないマイナス思考の連鎖です。
事実は、「友人が夜中までゲームに熱中していたため、翌朝睡眠不足で頭がボーっとしていて挨拶が聞こえなかった」というのが落ちです。
< 結論の飛躍という思考パターンから抜ける方法 >
結論の飛躍は、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な深読みのし過ぎが原因です。しかも、ベースが悲観的な思考ですから飛躍した結論はすべて悲観的なものになります。
何かの事実があったら、その事実そのものを受け取りそれ以上の思考の展開をしないことです。根拠のない悲観的な思考実験からは何も得られないばかりか、苦しみを発生するだけです。
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6.拡大解釈と過小評価いう思考パターン(magnification and minimization)
拡大解釈とは、自分の小さな欠点や小さな失敗を大きく拡大解釈して自分はダメだ思ってしまうことです。過小評価というのは、他人が評価してくれる長所や、自分の成功体験を大したものではないと過小に評価してしまうことです。
これは明らかに幸せになれない思考パターンです。例えば物凄く努力して、それ相応の結果を残しても満足できませんし、喜ぶことができません。
また、どんなの他人から賞賛されても、自分はたいしたことはない、たまたま運が良かっただけに過ぎないし、皆は誤解しているんだと感じてしまいます。その逆に少しでも失敗したり他人から批判を受けたりすれば、もう駄目だおしまいだ、などと超悲観的に考えてしまします。
このような否定的思考は、自己評価を下げ続けるだけです。そして心の充足感や喜びを全く感じることができません。そして自分を責め続けて、自滅的な方向へどんどん進んでいってしまいます。
< 拡大解釈と過小評価いう思考パターンから抜ける方法 >
物事を客観的に評価する癖や思考を身につけていく努力をしていきましょう。それとあるがままの自分を受け入れるという覚悟も必要です。
たとえどんな小さな成功でも、自分を素直に褒めてあげるようにしましょう。そしてミスや失敗は学びであって、決して自己評価を下げるものでなないことを自分に言い聞かせましょう。
物事を客観的にあるがままに認識するする方法として、今脚光をあびている2つの効果的な方法がありますので、下記に紹介します
<参考記事>
マインドフルネスであらゆる問題の解決につながるメタ認知力を鍛えろ!
考えるな感じるんだ!とらわれない心を育てるヴィパッサナー瞑想法
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7.感情の決めつけという思考パターン(emotional reasoning)
物事の判断を客観的な事実や論理的な思考をともなわずに、自分の感情で判断してしまう思考パターンです。「自分は価値のない人間だと感じているのだから、自分はくだらない無価値な人間に違いない」とか、「こんなにミスしないか不安に感じているのなら、私は必ず失敗するだろう」など、
自分の感じでいる感情ですべてを判断してしまうのです。この矛先が他人に向かうと「あの人の言動は私をこれほどイライラさせるのだから、絶対くだらない人間である」などという屈折した解釈をすることにもなります。
< 感情の決めつけという思考パターンから抜ける方法 >
感情は人間にとってとても重要なものです。例えば「恐怖や不安」という感情は人間の危機管理にとって必要不可なものです。例えば山中でクマを見かけたとしても、恐怖がなければ逃げるとういう行動はおきません。また、恐怖や不安という感情がなければ、地震や津波などの自然災害の備えをすることもないでしょう。
つまり、危機管理においては恐怖や不安という感情は、正しく機能しています。しかし、私たちの恐怖や不安の95%以上は根拠のないものです。つまり、過去の記憶やまだ起きていない未来に対する恐怖や不安という実態のない根拠のない感情にとらわれているのです。
これらのネガティブな感情の決めつけに対する唯一の対処法は、無視すること、考えないことです。具体的には恐怖や心配、不安、怒りなどのネガティブな感情が湧き起こったら、その原因が自分以外の他人を説得するだけの論理的根拠があるのか自分に問いましょう。
そして根拠のない感情だったら、その感情を流しましょう。流すことができなかったら相手にしないことです。
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8.すべき思考という思考パターン(should statements)
何かの物事をやろうとするときに、「~すべきである。」「~しなければならない」という強迫観念にも似た思考パターンです。このような「すべき思考」には責任感や義務感がのしかかり、行動そのものが苦しいものになりがちです。
そして一生懸命に努力しても、できて当然という意識になるのでそこに達成感や喜びを感じることができません。つまり、報われない努力を続けることになるので、いずれ精神的破綻を起こすことになりかねません。
< すべき思考という思考パターンから抜ける方法 >
「すべき思考」は自分に対して無意味な縛り付けをして自分で自分の首を絞めているのです。そのためには「~すべきである」という金縛りの思考から、「~したい」という能動的な思考に変えましょう。
そうなれば、強迫的な金縛りから解放されて、行動そのものが楽しいものに様変わりします。 達成した時には心から満足感や喜びを受け取ることができます。自分のやりたいこと、好きなことにフォーカスしていきましょう。
9.レッテルを貼るという思考パターン(labeling and mislabeling)
たった1つの失敗やミスで自分に、ダメ人間のレッテルを貼って、勝手に自滅していく思考パターンです。例えば1度受験に失敗しただけで、「自分は人生の落後者」とうレッテルを貼り、「この先、何をやってもダメ人間の自分には上手くいかないだろう。」という烙印を自分に押してしまいます。
つまり、レッテルを貼ることによって、1つの部分的な評価を人間の全体的価値評価としてしまう恐ろしい認知の屈折です。
< レッテルを貼るという思考パターンから抜ける方法 >
完ぺきな人間なんてこの世には存在しません。人間には誰でも長所や短所があるのです。もちろん自分にもあります。悪いところ1つ取り上げて、レッテルを貼るのはネガティブな悪習です。むしろ良いところにフォーカスしましょう。
人間の価値判断は、減点法より加点法の方がしっくりきます。自分にも他人にも良いところを探すようにすればやさしくなれます。そして幸せになれます。
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10.個人化という思考パターン(personalization)
個人化とは、客観的にみて自分には責任のないあらゆる事象に対して、すべては自分に責任があると曲解してしまう認知のあやまりです。たとえば、夫に浮気された被害者であるが妻が、夫が浮気したのは自分のいたらなさにあるとして、責任を感じるような場合です。
また、交通事故で子供を失った母親が、娘の事故死の責任は娘の外出を許した自分にあると責任を感じている場合などです。これは、自分に関係しているあらゆる問題は自分が影響させているといった信念からくるものです。
< 個人化という思考パターンから抜ける方法 >
すべての出来事を、自分に関連付けて強い責任を感じていたら、生きるこことは十字架を背負うことと同意です。交通事故の責任は、あくまでも事故の当事者になるのです。外出を見送った母親には微塵も責任はないのです。
あらゆる問題の責任は、問題の当事者と直接的に関係のある人だけです。 飛躍的な自己関連付けは、神経症と同様の思考です。このような思考に陥った場合は、自分を客観的な立場から見て、論理的に考える癖をつけましょう。それができなかったら家族や信頼できる友人に相談して見るのもいいでしょう。
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最後にひと言
さて、みなさんは認知のゆがみ10パターンのうち、いくつの項目に該当しましたか? 自分の認知のゆがみのパターンを理解して、意識的に認知のゆがみの修正に努力することが大切になります。
改善の一歩は、まず、自分の認知のゆがみに気づくことです。気づくことでピンポイントで意識的に認知のゆがみの是正をすることができます。
自分の認知のゆがみのパターンを意識すれば、認知のゆがみによる悲観的思考回路の始まりに気づくことができます。この認知のゆがみをリアルタイムに気づくことによって、この思考連鎖を止めることができるのです。
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