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人間の記憶はどのように機能するのか?記憶心理学と記憶力向上法

      2023/06/20

人間の記憶はどのように機能するのか?この疑問に答えるために、記憶心理学と記憶力向上法について解説します。記憶は日常生活に欠かせない能力ですが、そのメカニズムは複雑で不思議なものです。記憶の種類や過程、長期記憶の分類や特徴などを学ぶことで、自分の記憶力を高める方法が見えてきます。この記事では、記憶に関する基礎知識と実践的な記憶力向上法を紹介します。

記憶の種類と過程


記憶とは、経験や学習した情報を脳に保存し、必要なときに再生する能力のことです。しかし、記憶は一種類ではありません。記憶には、短期記憶と長期記憶の二つの大きな種類があります。また、それぞれの記憶にはさらに細かい分類があります。まず、短期記憶とは、一時的に情報を保持する記憶のことです。

短期記憶は、約15〜30秒程度しか持続しません。また、同時に保持できる情報の量は限られています。一般に、7±2個程度の情報しか保持できないと言われています。例えば、電話番号や暗証番号などは短期記憶に頼って覚えています。短期記憶は、脳の前頭前野や側頭前野などに関与しています。

次に、長期記憶とは、長時間にわたって情報を保持する記憶のことです。長期記憶は、数分から数年、あるいは一生涯にわたって持続することがあります。また、保持できる情報の量はほぼ無限と言われています。例えば、自分の名前や住所、学校で習った知識やスキルなどは長期記憶に頼って覚えています。長期記憶は、脳の海馬や側頭葉などに関与しています。

さらに、長期記憶は細かく分類することができます。長期記憶には、宣言的記憶と非宣言的記憶の二つの種類があります。宣言的記憶とは、言語化できる事実や出来事を保存する記憶のことです。宣言的記憶には、意味記憶エピソード記憶の二つの種類があります。意味記憶とは、一般的な知識や単語の意味などを保存する記憶のことです。

エピソード記憶とは、個人的な体験や感情などを保存する記憶のことです。非宣言的記憶とは、言語化できない技能や習慣を保存する記憶のことです。非宣言的記憶には、手続き記憶と条件付け記憶の二つの種類があります。手続き記憶とは、自転車に乗るやピアノを弾くなどの技能を保存する記憶のことです。

条件付け記憶とは、刺激と反応の関連性を保存する記憶のことです。では、これらの種類の違う記憶はどのようにして形成されるのでしょうか?記憶の過程には、符号化、保持、取り出しの三つの段階があります。符号化とは、感覚器官から入ってきた情報を脳で処理することです。符号化の際には、注意や関心、動機などが記憶の質に影響します。

保持とは、符号化された情報を脳に保存することです。保持の際には、繰り返しや組み込み、想起などが記憶の量に影響します。取り出しとは、保存された情報を必要なときに再生することです。取り出しの際には、手がかりや文脈、感情などが記憶の正確さに影響します。

以上が、記憶の種類と過程についての解説です。記憶は複雑で多様な現象ですが、その仕組みを理解することで、自分の記憶力を向上させることができるかもしれません。次の章では、長期記憶の分類と特徴について詳しく見ていきましょう。

長期記憶の分類と特徴


長期記憶とは、数分から一生涯にわたって保持される記憶のことです。長期記憶は、さらにいくつかの種類に分けられます。ここでは、代表的な3つの長期記憶の分類と特徴について説明します。

宣言的記憶

宣言的記憶とは、事実や出来事など、言葉で表現できる記憶のことです。宣言的記憶は、さらにエピソード記憶と意味記憶に分けられます。

エピソード記憶とは、自分が体験した出来事や場面を時空間的に結びつけて記憶することです。例えば、卒業式の日のことや初恋の相手の名前などがエピソード記憶にあたります。エピソード記憶は、個人的な感情や感覚も含まれるため、主観的で色彩豊かな記憶です。

意味記憶とは、事実や知識など、客観的な情報を意味的に組み立てて記憶することです。例えば、日本の首都は東京であるということや九九の答えなどが意味記憶にあたります。意味記憶は、個人的な経験や感情とは関係なく、普遍的で論理的な記憶です。

手続き的記憶

手続き的記憶とは、自転車の乗り方や楽器の演奏法など、技能や習慣を身につけるための記憶のことです。手続き的記憶は、言葉で説明するのが難しいことが多く、行動や動作で表現されることが多いです。手続き的記憶は、繰り返し練習することで形成され、長く保持されます。

感情的記憶

感情的記憶とは、喜怒哀楽などの感情を伴った記憶のことです。感情的記憶は、強い感情が生じた場面や出来事を鮮明に覚えていることが多く、感情が再び引き出されることで思い出されることが多いです。感情的記憶は、宣言的記憶や手続き的記憶よりも優先的に処理されることがあります。

以上が長期記憶の分類と特徴です。長期記憶は、私たちの人生やアイデンティティを形成する重要な要素です。次の章では、長期記憶を向上させる方法について紹介します。

記憶力向上法


記憶力を向上させるためには、どのような方法が有効でしょうか?ここでは、記憶の心理学的なメカニズムに基づいた、4つの記憶力向上法を紹介します。それぞれの方法には、具体的な実践例や効果がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

リハーサル(反復)

リハーサルとは、記憶したい情報を繰り返し復唱したり書き写したりすることです。これにより、短期記憶から長期記憶への移行を促進します。リハーサルの効果を高めるためには、以下の点に注意しましょう。

● 間隔をあけて反復する(分散学習)
● 意味のある単位で反復する(チャンキング)
● 自分の言葉で言い換える(エラボレーション)

例えば、英単語を覚えるときには、単語帳を使って何度も読み書きするだけでなく、一定の時間間隔をあけて復習したり、関連する単語や例文と一緒に覚えたり、自分なりのニュアンスやイメージを付け加えたりすると良いでしょう。

精緻化(整理・結び付け)

精緻化とは、記憶したい情報を整理したり、既存の知識と結び付けたりすることです。これにより、記憶の組織化や深化を促進します。精緻化の効果を高めるためには、以下の点に注意しましょう。

● 記憶したい情報をカテゴリー分けする(分類)
● 記憶したい情報に階層的な構造を与える(階層化)
● 記憶したい情報に視覚的なイメージを与える(イメージ化)

例えば、歴史の年号を覚えるときには、時代や出来事ごとにグループ分けしたり、大きな流れから細かい事実まで順序立てて覚えたり、重要なキーワードに絵や図を描いて覚えたりすると良いでしょう。

アウトプット(表現・共有)

アウトプットとは、記憶したい情報を自分で表現したり、他人に共有したりすることです。これにより、記憶の確認や補強を促進します。アウトプットの効果を高めるためには、以下の点に注意しましょう。

● 記憶したい情報を自分の言葉で説明する(要約・解説)
● 記憶したい情報を他人に教える(教授・フィードバック)
● 記憶したい情報を応用する(問題解決・創造)

例えば、数学の公式を覚えるときには、公式の意味や使い方を自分で言い表したり、友達や家族に教えてみたり、実際の問題に適用したり、自分で問題を作ってみたりすると良いでしょう。

インプット(意味・関心)

インプットとは、記憶したい情報に意味や関心を持つことです。これにより、記憶の動機付けや関連付けを促進します。インプットの効果を高めるためには、以下の点に注意しましょう。

● 記憶したい情報の背景や目的を理解する(コンテキスト)
● 記憶したい情報に自分の感情や価値観を反映させる(自己関連性)
● 記憶したい情報に興味や好奇心を持つ(インセンティブ)

例えば、地理の国名や首都を覚えるときには、その国の歴史や文化、自分との関係性などを知ったり、その国に行きたいと思ったり、その国のクイズやゲームに挑戦したりすると良いでしょう。

以上が、記憶力向上法の4つの方法です。記憶は個人差がありますので、自分に合った方法を試してみてください。記憶力は訓練すれば必ず向上します。ぜひ、この記事を参考にして、記憶力を高めてみてください。

おわりに


この記事では、人間の記憶はどのように機能するのか、記憶心理学と記憶力向上法について紹介しました。記憶は私たちの日常生活に欠かせない能力ですが、そのメカニズムは複雑で不思議なものです。記憶の種類や過程、長期記憶の分類や特徴を理解することで、自分の記憶力を高める方法が見えてきます。

記憶力向上法はさまざまなものがありますが、一番大切なことは継続的に記憶を活性化させることです。
ぜひこの記事を参考にして、自分の記憶力を向上させてみてください。

 

 

関連:
過去からの解放!思い出したくない嫌な記憶を忘れる7つの方法

参考:
ウィキペディア(Wikipedia)記憶
【心理学】記憶の過程と種類から分かる効果的な勉強法を解説
記憶の分類
心理学用語:記憶 【感覚記憶・短期記憶・長期記憶】

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