kazuosite☆心理学から学ぶ人生のいろはにほへと

心理学は心の働きを分析する科学です。私たちの幸福も心の働きによって決まります。このサイトでは人生を楽しく幸せに生きるためのヒントになる心理学や哲学等の自己実現をテーマにお話しを紹介していきますね。

あなたはどんな価値観で生きていますか?哲学者ニーチェの「超人」思想に挑戦する

   

今回は、哲学者ニーチェの「超人」思想について、わかりやすく解説していきたいと思います。超人とは、ニヒリズムに陥った人間を超える存在で、自ら新しい価値を創造し、力への意思を持つ人間のことです。ニーチェは、超人になるためには、ラクダ・ライオン・子供の3段階を経る必要があると言いました。

また、超人思想は、文学や芸術、哲学に影響を与えた一方で、政治的にはナチスに利用されるなどしたこともあります。あなたはどんな価値観で生きていますか?超人を目指すとしたら、どうすればいいでしょうか?この記事では、そんな疑問に答えていきます。

1. ニーチェとは?超人思想とは?


ニーチェとは、19世紀後半に活躍したドイツの哲学者で、キリスト教や形而上学を批判し、人間の存在意義や価値観について独自の思想を展開した人物です。彼の代表的な著作には、『悦ばしき知識』『ツァラトゥストラはこう言った』『道徳の系譜』『善悪の彼岸』『アンチクリスト』などがあります 。

超人思想とは、ニーチェが提唱した人間の理想像で、ニヒリズムに陥った人間を超える存在です。ニヒリズムとは、神や普遍的な真理が死んだという認識によって、世界や人生に意味や価値がないと感じる状態です 。超人は、この無意味な世界を肯定し、自ら新しい価値を創造し、力への意思を持つ人間です 。

超人になるためには、ラクダ・ライオン・子供の3段階を経る必要があります。ニーチェの超人思想は、文学や芸術、哲学に影響を与えましたが、政治的にはナチスに利用されるなどしたため、批判も多く受けました。また、超人の定義が曖昧で、誰もが超人になれるわけではないという問題点も指摘されています。

2. 超人になるための3段階


ニーチェの超人思想は、人間が自ら新しい価値を創造し、力への意思を持つことで、ニヒリズムに陥った現代社会を超えることを目指す思想です。しかし、超人になることは簡単ではありません。ニーチェは、超人になるためには、精神の変化を3段階に分けて説明しています。それは、ラクダ、ライオン、子供という3つの象徴で表されます 。

ラクダ:伝統的な価値観に服従する

ラクダとは、重い荷物を背負って砂漠を歩く動物のことです。ニーチェは、このラクダを、伝統的な価値観や権威に服従する人間の精神に例えています。ラクダは、「汝なすべし」という義務や規範に忠実に従い、自分の意志や欲望を抑え込みます。ラクダは、キリスト教や道徳などの既存の価値観に畏敬の念を持ち、それらを重荷として背負って生きていきます 。

ライオン:伝統的な価値観に反抗する

ライオンとは、自由で強力な動物のことです。ニーチェは、このライオンを、伝統的な価値観や権威に反抗する人間の精神に例えています。ライオンは、「我欲す」という意思を持ち、自分の望むままに生きようとします。

ライオンは、「汝なすべし」という義務や規範に対して、「我否す」と言って拒否します。ライオンは、キリスト教や道徳などの既存の価値観を破壊しようとします 。

子供:無意味な世界を肯定し、無心で遊ぶ

子供とは、無垢で創造的な存在のことです。ニーチェは、この子供を、新しい価値を創造する人間の精神に例えています。子供は、「然り」という言葉で無意味な世界を肯定し、ありのままの存在を受け入れます。子供は、「我欲す」という意思ではなく、「我遊ぶ」という遊戯心で生きます。子供は、キリスト教や道徳などの既存の価値観から離れて自在になります 。

このように、ニーチェは超人になるためには、ラクダからライオンへ、そしてライオンから子供へと精神が変化しなければならないと言っています。しかし、これは誰もができることではありません。超人になるためには、永劫回帰や究極のニヒリズムという過酷な試練が待ち受けているからです 。

3. 超人思想の影響と問題点


ニーチェの超人思想は、彼の死後、様々な分野に影響を与えました。しかし、その影響は必ずしも肯定的なものばかりではありませんでした。ここでは、超人思想の影響と問題点について見ていきましょう。

文学や芸術、哲学における影響

ニーチェの超人思想は、文学や芸術、哲学などの分野に多大な影響を与えました。例えば、以下のような作品や思想家がニーチェの超人思想に触発されたと言われています。

● ヘルマン・ヘッセの小説『デミアン』や『シッダールタ』
● トーマス・マンの小説『魔の山』や『ヨーゼフとその兄弟たち』
● フランツ・カフカの小説『審判』や『変身』
● ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『マン・アンド・スーパーマン』
● リヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』
● ギュスターヴ・クリムトの絵画『キス』や『ユディト』
● フリードリヒ・エーベルトやマルティン・ハイデッガーなどの実存主義者

これらの作品や思想家は、ニーチェの超人思想をそのまま受け入れたわけではありませんが、ニーチェが提起した人間存在の問題や価値創造の可能性に刺激されて、独自の表現や思考を展開しました。

政治的な利用と問題点

一方で、ニーチェの超人思想は、政治的な利用にもさらされました。特に有名な例が、ドイツ・ナチスによるものです。ナチスは、ニーチェが嫌悪していた反ユダヤ主義や国家社会主義というイデオロギーを持ちながら、ニーチェの超人思想を自分たちの正当化に利用しました。例えば、以下のようなことが行われました。

● ニーチェの妹エリーザベトがナチスと結びつき、ニーチェの遺稿を改竄してナチスに都合よく編集した。

● ナチスはニーチェを「ドイツ精神」の代表者として宣伝し、彼の肖像画や言葉を使ってプロパガンダを行った。

● ナチスはニーチェの超人思想を「アーリア人」や「ナチ党員」に当てはめて、「劣等民族」や「反対者」を抹殺する理由にした

これらのことは、ニーチェ本人が生きていれば決して許さなかっただろうことです。しかし、ニーチェ自身が超人思想を明確に定義しなかったことや、彼が使った言葉が多義的であったことなどが、このような政治的な利用を可能にしたと言えます。

超人思想の曖昧さと限界

ニーチェは、「私たちはどう生きるべきか」という問いに対して、「超人」という答えを提示しました。しかし、「超人」とは具体的にどういう存在なのか、どうすれば超人になれるのか、超人はどういう価値観を持つべきなのかなどについては、明確に説明していませんでした。また、「超人」という言葉自体も、「上位者」「支配者」「貴族」「英雄」「創造者」などと同義で使われることがありました。

このように、「超人」という概念は曖昧であるだけでなく、矛盾も含んでいます。例えば、

● 超人は自ら新しい価値を創造するが、その価値は何に基づくのか
● 超人は力への意志を持つが、その力は何を目指すのか
● 超人は無意味な世界を肯定するが、その肯定は何から生まれるのか
● 超人は凡人を軽蔑するが、凡人から生まれた自分自身をどう扱うのか

これらの問いに対して、ニーチェは明確な答えを与えていませんでした。また、「超人」という存在自体も非常に稀有で特殊なものであり、誰もが目指せるものではありませんでした。このように、「超人」という答えは、「私たちはどう生きるべきか」という問いに対して十分な解決策ではなかったと言えます。

4. あなたは超人を目指しますか?


ニーチェの超人思想は、人間の可能性と限界に挑戦するものです。超人とは、伝統的な価値観や道徳を否定し、自ら新しい価値を創造する存在です。超人は、ニヒリズムの無意味さに耐え、力への意思を持ち、永劫回帰を肯定することができます。

しかし、超人になることは容易ではありません。超人になるためには、ラクダからライオンへ、そして子供へと精神の変化を遂げる必要があります。ラクダは伝統的な価値観に服従し、ライオンはそれに反抗し、子供は無意味な世界を無心で遊ぶものです。

また、超人になることは必要でもありません。ニーチェ自身も、凡人にも凡人の良さがあり、超人は凡人を大切に扱うべきだと認めています。超人はピラミッドの頂点に立つ存在ですが、その下には広い地盤が必要です。すべての人が超人を目指す必要はなく、自分の価値観に忠実に生きることもできます。

では、あなたはどうでしょうか?あなたは超人を目指しますか?それとも凡人でいいと思いますか?あなた自身の価値観を見つめ直してみましょう。この記事では、ニーチェの超人思想について紹介しましたが、これはあくまで一つの哲学的な考え方です。あなたがどんな価値観で生きているか、それが大切なことです。

おわりに


この記事では、哲学者ニーチェの「超人」思想について、その概要や影響、問題点などを紹介しました。超人とは、自ら新しい価値を創造し、力への意思を持つ存在であり、ニヒリズムに陥った人間を超えるものです。

しかし、超人になるためにはラクダ、ライオン、子供という3段階を経る必要があり、誰もが超人になれるわけではありません。また、超人思想はナチスに利用されたり、倫理的な問題を引き起こしたりする危険性もあります。

あなたは超人を目指しますか?それとも凡人でいることに満足しますか?それはあなた自身の価値観によって決まることです。ニーチェの思想は、私たちに自分の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれます。しかし、それはあくまで参考であり、盲目的に信じるべきではありません。自分の頭で考えて、自分の道を歩むことが大切です。

関連:
君が出会う最悪の敵はいつも君自身だ_【ニーチェの名言】

参考:
- 超人|ニーチェの超人思想 |
- ニーチェの超人とは?超人になるための3段階を解説 - 無知の知 
- ニーチェの超人:人類発展の原動力 

スポンサーリンク

 - 自己実現