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あなたの運命は決まっているのか?運命論と自由意志の問題を考える

      2023/05/22

あなたは自分の人生について、自分で選択していると思いますか?それとも、すべては運命によって決まっていると思いますか?このような問いは、運命論と自由意志の問題と呼ばれ、古くから哲学者たちが議論してきたテーマです。運命論と自由意志の問題は、人間の存在や行動に関する根本的な問題であり、現代でも多くの関心を集めています。

この記事では、運命論と自由意志の問題について、その定義や種類、主な理由や根拠、反論や反駁などを紹介し、両者の両立可能性についても考察します。

運命論とは何か


運命論とは、あらゆる出来事や行動はあらかじめ決まっているという考え方です。運命論には、神や宇宙の法則、因果律などが運命を決めるとする宗教的・形而上学的なものや、人間の心理や社会の構造が運命を決めるとする自然科学的・社会科学的なものなど、さまざまな種類があります。

運命論を支持する主な理由と根拠は、以下のようなものが挙げられます。

● 運命論は、世界に秩序や意味があるという安心感や希望を与える。
● 運命論は、自分の責任や罪悪感を軽減する。
● 運命論は、観察や統計に基づいて予測や説明ができる。
● 運命論は、歴史や文化における多くの伝統や信仰と一致する。

しかし、運命論に対する一般的な反論と反駁もあります。それらは、以下のようなものです。

● 運命論は、自由意志や道徳責任を否定する。
● 運命論は、変化や改善の可能性を否定する。
● 運命論は、根拠や証拠が不十分である。
● 運命論は、矛盾やパラドックスを生む。

以上が、運命論とは何かについての簡単な紹介です。次の章では、自由意志とは何かについて見ていきましょう。

自由意志とは何か


自由意志とは、人間が自分の行動や選択を自分の意思や理由に基づいて自由に決めることができる能力や権利のことです。自由意志は、人間が道徳的に責任を負う主体であることや、人間の尊厳や価値を保障することに関わる重要な概念です。

自由意志には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、因果律や物理法則に縛られない絶対的な自由意志です。これは、人間が自分の行動や選択を完全に自分でコントロールできるという考え方です。

もう一つは、因果律や物理法則に従っているとしても、人間が自分の行動や選択に合理的な理由や動機を持っている相対的な自由意志です。これは、人間が自分の行動や選択に影響を与える要因を認識し、それらを承認または否定できるという考え方です。

自由意志を支持する主な理由と根拠は、以下のようなものが挙げられます。

● 自由意志は、人間の直観や経験に合致する。

人間は普段から、自分の行動や選択について自分で決めていると感じており、他人の行動や選択についてもそれぞれの意思や理由があると考えている。

● 自由意志は、人間の道徳性や責任感に必要である。

人間は自分の行動や選択によって善悪を判断され、報酬や罰を受ける。これは、人間が自分の行動や選択に対して責任を負うことを前提としている。もし人間が自由意志を持たないとすれば、人間は道徳的な評価や判断を受けることができなくなり、社会的な秩序や正義が崩壊する可能性がある。

● 自由意志は、人間の尊厳や価値を保障する。

人間は自分の行動や選択によって自分の人生を形作り、自分らしさを表現する。これは、人間が自分の存在に意味や目的を見出すことを可能にする。もし人間が自由意志を持たないとすれば、人間はただ因果律や物理法則に従う機械的な存在になり、個性や尊厳を失う可能性がある。

しかし、自由意志に対する一般的な反論と反駁も存在します。それらは、以下のようなものです。

● 自由意志は、科学的に証明されていない。

科学的に見れば、人間の行動や選択は脳内の神経活動や化学反応によって決まっており、それらは因果律や物理法則に従っている。したがって、人間が自分の行動や選択を自由に決めることはできない。

● 自由意志は、論理的に矛盾している。

もし人間が因果律や物理法則に縛られない絶対的な自由意志を持つとすれば、それは無根拠で無秩序な行動や選択であることになる。しかし、そんな行動や選択は自分の意思や理由に基づいていると言えるだろうか?

また、もし人間が因果律や物理法則に従っている相対的な自由意志を持つとすれば、それは本当の意味での自由ではなく、単に必然性の中で認識力や判断力を働かせているだけであることになる。しかし、そんな行動や選択は他者から強制されたり操作されたりしていないと言えるだろうか?

運命論と自由意志の両立可能性


運命論と自由意志の問題において、もっとも難しいのは、両者が同時に存在できるのかどうかということです。この問題に対しては、大きく分けて両立主義と非両立主義という二つの立場があります。両立主義とは、運命論と自由意志が矛盾しないと主張する立場です。両立主義者は、運命論が真であっても、人間は自分の行動に対して責任を持ち、選択の余地があると考えます。

例えば、神が全知全能であっても、人間は神の予知に影響されずに自由に行動できるという神学的決定論や、物理法則が全ての現象を決定づけていても、人間は物理法則に従っていることを知らないので、自由に行動できるという無知の決定論などがあります。

非両立主義とは、運命論と自由意志が矛盾すると主張する立場です。非両立主義者は、運命論が真であれば、人間は自分の行動に対して責任を持たず、選択の余地がないと考えます。

例えば、神が全知全能であれば、人間は神の予知によって行動が決まってしまうので、自由ではないという予知的不可能性や、物理法則が全ての現象を決定づけていれば、人間は物理法則によって行動が決まってしまうので、自由ではないという因果的不可能性などがあります。

このように、運命論と自由意志の両立可能性については、様々な議論があります。しかし、どちらの立場も完全に説得力を持つとは言えません。なぜなら、運命論や自由意志の定義や根拠にも問題があるからです。

まとめ


この記事では、運命論と自由意志の問題について、その定義、種類、根拠、反論などを紹介しました。運命論と自由意志の問題は、人間の存在や行動に関する根本的な疑問を投げかける哲学的なテーマです。この問題には、一つの正解や結論があるとは言えませんが、それだからこそ、自分なりの考え方や立場を見つけることが重要だと思います。

 

 

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参考:
- ウィキペディア(Wikipedia)/自由意志
-ストア派の運命論をめぐって―ヘレニズム・ローマ期の哲学における決定論と自由意志
- ヘレニズム・ローマ期の哲学における決定論と自由意志

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