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ルーティン!五郎丸ポーズで分かったスポーツ心理学の凄さ

      2017/04/11

今、日本で話題沸騰のラグビー日本代表の活躍、その中でも、いちばん注目されているのが独特のルーティン「 五郎丸ポーズ 」で有名な五郎丸選手です。 そして五郎丸選手の高いキック成功率は、あのルーティンによるところが大きいと言われています。

ルーティンはスポーツ心理学に裏付けされたメンタル強化の方法です。今回はこの五郎丸選手のルーティンから見るスポーツ心理学の凄さと私たちの生活への応用を考えて見ました。

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超一流選手が実践しているルーティンの意味

ルーティンは正確には、「プレ・パフォーマンス・ルーティン」といい、一流のスポーツ選手が、肝心な場面で使う儀式のような行動です。これは勝負どころで、自分のベストパフォーマンスを導き出すための方法です。五郎丸選手でいえば、キックの前に一連のパタ―ン化された行動を行うことで、一定のリズムが生れます。

五郎丸選手のあの拝むようなゆっくりした動作を行なう過程で、呼吸やリズム、心理状態を安定させて研ぎ澄まされた集中力を養います。そのことにより邪念やマイナス感情を排除しているのです。そして高い集中力が体現できることでキックの成功率を高くしているのです。ルーティンはスポーツ心理学に裏打ちされたメンタル強化のメソッドです。

そしてラグビー日本代表をメンタルの面から支えたのが、五郎丸ポーズの生みの親でもあるメンタルコーチの荒木香織さんです。五郎丸ポーズはスポーツ心理学に精通した荒木さんと五郎丸選手との2人三脚で作り上げた最高のルーティンなのです。

このようなルーティンを実行している一流選手はたくさんいます。例えば「 弓を引くようなポーズ 」をする陸上短距離のウサイン・ボルト選手やバッターボックスで投手に向かってバットを向ける独特のポーズをとるメジャーリーグのイチロー選手が思い浮かびます。

ルーティンには驚くべき効果があります。その証拠は超一流選手が実践していることからも分かります。彼らが魅了されるルーティンの効果について考察してみましょう。

ルーティンの驚くべき効果

ルーティンは、決まった動作を行うのでゲン担ぎと思われている人もいるようですが、根本的にそれとは違います。例えば受験の前にトンカツを食べるとか、靴下は右から靴は左から履くとか、人によって色々あると思います。このゲン担ぎの効果は単なる暗示効果で、実際のパフォーマンスに直接影響するわけではありません。

ルーティンは暗示効果もありますが、その本当の目的はパフォーマンスの向上にあります。それではルーティンの具体的な効果についてみていきましょう。

1.本番のプレイにスムーズに移行するための準備作業として

五郎丸選手であればキックの前にルーティンをすることで、これからペナルティー・ゴールキックをすることを体に理解させ、準備させることが出来ます。これは「 パブロフの犬 」と同じではないかと私は思います。つまり条件反射です。餌をやる前に必ずベルを鳴らして訓練した犬は、ベルを鳴らしただけで唾液が大量に分泌されるという研究報告があります。

この場合、ルーテインはベルの役割です。五郎丸選手がルーティンをすることで、体はキックをすることを感じて、意識に関係なく心拍数を調整してキックのためのベストな状況を自然と作るのです。

2.心を惑わす内外のプッシャーを排除する

これは完全にメンタル強化の効果です。キックをする前はゴールキックのみに意識を集中する必要があります。この時には個人のメンタルの強弱が決定的な要因になります。自分の内側からは「 失敗したらどうしよう 」とかいう不安や恐怖などのマイナス感情が湧き上がります。

自分の外側からは観客の歓声やブーイングや相手チームからのプレッシャーもあります。しかし、そのような内外の雑音をルーティンに集中することによりシャットアウトすることが出来るのです。

3.失敗に対しても対応がとれる

ルーティンは1本目のキックをした場合でも、2本目の時のルーティンを微調整することにより、キックを成功させることが出来ます。つまり練習の積み重ねで、あらゆる場合の時のルーティンを用意しているからです。

4.ストレス軽減の効果がある

ラグビーの試合の流れ、試合中のアクシデントや自分のコンディションなど、選手にかかるプッシャーは大変なものです。しかし、そんな中でもルーティンの存在は選手に「 これをしていれば大丈夫 」という精神安定の効果とストレス軽減効果があります。ルーティンの効果をまとめると次のようになります。

<ルーティンの効果>

  1. 本番のプレイにスムーズに移行するための準備作業
  2. 心を惑わす内外のプッシャーを排除する
  3. 失敗に対しても対応がとれる・修正機能
  4. ストレス軽減の効果がある

ルーティンは単なるおまじないではないんですね。実際にパフォーマンスにプラス効果を与えることが出来るスポーツ心理学なんです。ワールドカップの後の五郎丸選手がルーティンについてこんな発言をしていました。

「 プレ・パフォーマンス・ルーティンがあってよかった。なかったらどうなっていたかと思うとぞっとする 」

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ルーティンを私たちの生活に応用する

これまでスポーツにおけるルーティンの素晴らしい効果についてみてきましたが、これほどの効果のある実用的なルーティンをスポーツだけに留めてしまうのはあまりにももったいない話です。

私たちの仕事や生活にも応用できれば、画期的な効果をもたらすはずです。原理的には全く問題ないはずです。とにかく大事な場面の前にパターン化した自分のルーティンを考えて習慣化すればいいのです。ここで幾つかの応用事例を考えて見ましょう。

試験や勉強の前のルーティンを作る

毎日の勉強を集中して行うのはとても難しいことですよね。そこで勉強前に決まったルーティンを作って実行しましょう。ルーティンはどんなものでも構いません。

例えば勉強を始める前に「 目をつむって、腕組みをして、心の中で勉強は楽しいと3回唱える 」とか、自分で工夫して考えて見ましょう。これを勉強の前に毎回行うようにすれば、習慣化して、ルーティンから勉強への流れがスムーズになるでしょう。そしてこのルーティンを試験前にも行えば、自然と体と心が反応して試験の準備が出来るようになります。

大勢の前で話す時のルーティンを作る

大切な商談やプレゼンなどで大勢の前で話す必要がある場合に、緊張しすぎないで、上手に話すのは簡単ではありません。そこで、話に入る前に腹式呼吸を数回して、会場をゆっくり見渡すなどして見るのもいいかもしれません。

このほかにも自分が難しいと感じている場面の前にルーティンを仕込むのは、非常に有効だと思います。是非、自分の生活の中に応用してみましょう。

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