平井堅の『ノンフィクション』の歌詞が凄すぎる!多くの共感を呼ぶ理由とその心理
2017/06/24
平井堅さんの新曲、『ノンフィクション』がiTunesダウンローランキング1位をとるなどヒット街道ばく進中です。このように大きな注目を集めているのは、ドラマ「小さな巨人」の主題歌であるという事もありますが、それ以上に泣ける曲、歌詞に共感するという反響が多いのも理由です。
今回は、この『ノンフィクション』の歌詞が、なぜに、これほど多くのファンを惹きつけたのか? 筆者自身の独自の分析で探ってみます。
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『ノンフィクション』の歌詞に何故、これほど多くのファンが共感を得たのか!
さて、ここからは何故、ノンフィクションの歌詞がこれほど多くのファンの共感を得たのかを具体的に探ってみましょう。しかし、その前に平井堅さん自身の、この曲にかける想いを確認していきましょう。
平井堅さんの曲への想い
平井堅さんのこの曲にかける想いを、メディアのインタビューを通じて語った言葉から感じて見ましょう。まず、ノンフィクションというタイトルにあるように、平井堅さんが精神的にきつい状態であった時の心の奥の心情を、素直な気持ちで嘘偽りなく表したものです。
平井堅さんの言葉をそのまま引用してみましょう。
自分自身の精神状態も不安定な時があって、
その心持ち 心模様を
あまり、嘘偽りなく
そのまま書こうと思って書いた。
ーー 平井堅 新曲に込めた「ノンフィクション」な感情 --
平井堅さんのノンフィクションな感情が詰まった歌詞だったんですね。だから行間につまった心情が、聞いている人の心を鷲づかみにしてしまうんですね。
また、この曲は平井堅さんの今は亡き友人のために書いた曲のようです。6月2日に放送したミュージックステーションの出演時に平井さん自身が話されていました。平井堅さんの友人は、ご自身の意思でこの世を旅立たれたそうです。
このノンフィクションの歌詞には、平井堅さんの苦しかった時の、リアルな心の心情がそのまま張り付けられているんですね。親友の死、そこから生まれる生と死への想い、人生の苦しみ、真実への渇望、そして希望、なんかとてつもない重いテーマですが、誰もが避けられないテーマでもあります。
それを歌で表現するのはとてつもなく難しい事。しかし、それをあの奇麗で切ないメロディーと平井堅さんの癒しボイスで包み込むことによって、奇跡的に可能にしているですね。凄すぎる、素晴らしいというしかありません。
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多くの人が共感した歌詞とは
それではここからは、みんなが特に共感したであろうと思われる部分を筆者の独断と偏見で抜粋してみたいと思います。
まずは、この2行の歌詞から。
優れた人を羨んでは自分が嫌になる。
この2行の歌詞は、誰でも思い当たることですよね。共感ということで考えれば、一番共感する部分ではないでしょうか。『描いた夢は叶わないことの方多い』。これはまさにこの言葉の通りですよね。小さいころに憧れた夢を大人になって叶える人は、ほんの一握りです。
小中学生のころは、「プロ野球選手になりたい、オリンピック選手になりたい、アイドルになりたい、声優さんがいいなあ」と。今だったら「ユーチューバーになりたい」もありますよね。
まさに「少年よ、大志を抱け」です。 しかし、実際に大人になってその夢を実現できているのは、ほんの一握りの人です。数字でいえば確率でいえば、0.0?%。
そして20歳になった頃には、小さいころの夢は、ほんとうにただの夢だったことに気づくのです。だから多くの人が共感するのでしょう。
それと『優れた人を羨んでは自分が嫌になる。』の部分。
これは、自分よりも才能のある人に嫉妬する心と、そんな自分を嫌なになってしまう。つまり自己嫌悪する心です。人は、どうしても他人と比較して、自分が幸せかどうかを判断してしまう生き物です。学校でも職場で常に比較して苦しんでしまうのです。
この「嫉妬」「劣等感」「自己嫌悪」というネガティブな感情は、全ての人の最大の敵であり、つねにストレスの源泉となるものです。これも共感できない人は皆無と言っていいでしょう。
次はこの2行です。
生きることを時々やめたくなる。
この歌詞も心に響きますよね。やる気を失い希望も失い、無気力のまま惰性で仕事や家事をこなしているときに、ふと、
「このまま生きてて何の意味があるんだろう」
って感じてしまう。いっそテレビのスイッチを切るみたいに、簡単に生きることを終わりにしたい。。。。
この部分は共感することに少し躊躇を感じますが、心の深い闇の部分でうなずいている自分が怖いですね。かなり闇が深いです。感情としては失望、惰性、無気力、無関心というマイナス感情を想起しますね。
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次はサビの部分。
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
この部分は、サビで何回も歌われる部分でその分、平井堅さんの気持ちも強いところだとは思うのですが、詩の解釈自体はかなり難しいものです。まず、この詩の部分に出てくる「あなた」とは誰を指すかです。この解釈によって大きく意味は変わってきます。
筆者が考えた中では、3つの解釈があります。
まず、一つ目は、
という解釈です。この歌を聞いている特に女性の多くが感じた解釈だと思います。
特にサビの部分で、「あなたに ただ 会いたいだけ」と連呼するので恋愛をしてる人や、失恋したばかりの人には心に刺さってくるものがあるでしょう。それはそれで素直の解釈でまったく問題ありません。
次に2つ目の解釈としては
という解釈です。
これはより現実的な解釈です。平井堅さんはこの歌を今は亡き友人のために書いた曲であるとはっきりとインタビューで答えています。そこから推測すると「あなた」は「今は亡き友人」という解釈は自然に導かれる解釈です。心情的にもしっくりはまっています。
今は亡き友人に会いたいという強い感情「どうして逝ってしまったんだ。 そのほんとうの気持ちを教えてくれ」という気持ちが、歌詞から伝わります。
そして3つ目の解釈は、
です。この解釈は私の一番気に入っている解釈です。
この詩を深く読んでいると、恋愛や友情を超えた普遍的な人生哲学を表現しているようにしか見えません。詩のサビ以外の部分では、人生の苦悩の根源となるネガティブな感情である無力感や嫉妬、劣等感、不安や恐怖などを具体的に表現しています。
この部分は、日常的に誰もが感じる部分なので大いに共感するわけです。そしてサビの直前で問いかけがあります。
「人生は悲劇ですか? 成功は孤独ですか?」
「何のため生きてますか? 誰のため生きてますか?」
しかし、この質問に対しての回答は、この歌詞のどこにもありません。この質問はとても難しい質問です。まるで禅寺にいってお坊さんに聞いてみたいような問いです。だから作者(平井さん)は、あえて答えを詩に載せなかった。それは皆さんで考えてくださいとでもいうように。。。。
しかし、そのヒントをサビの歌詞に託したのではないのでしょうか。あの何度も連呼するサビの部分にです。
僕はあなたの あなたの 本当を知りたいから
このサビの歌詞の「あなた」は「本当の自分」を表しているのではないでしょうか。ちょっと哲学的な話になってしまいますが、誰の心にも心の奥には「真我」ともいうべき迷いのない本当の自分がいます。
迷いのない自分である真我は、ある意味人生の全ての答えを知っているといってもいいでしょう。だから、「本当のことを知っている、心の奥にいる本当の自分に会いたい。」 そしてその「本当のことを知りたい」と言っているように筆者には受け取れたのです。
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最後にひと言
今回の記事はずいぶんと長くなってしまいました。ここまで読んできてくれた読者にはほんとうに感謝です。ずいぶんと歌詞を深よみしすぎた感はありますが、確かに平井堅さん「ノンフィクション」はブッダの仏教哲学に匹敵するほどの哲学のように筆者は感じてしまったのです。
この曲を聞いたときに少しでも思い出してくれたら嬉しい限りです。
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