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幸せって何だ!世界一貧しい大統領のスピーチから学ぶ幸福論

   

2012年のリオ会議(環境)で演説した、世界一貧しい大統領と言われたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領のスピーチが大きな感動を呼びました。

リオ会議で各国の首脳は持続可能な発展と世界の貧困をなくすことに言及していましたが、そんな中でホセ・ムヒカ元大統領ただ一人が、そのスピーチの中で根本原因は資本主義社会とそこで暮らす人間の生き方であるといって注目を浴びました。

そのスピーチ内容は、筆者からすればもはや哲学であり幸福論そのものです。今回はホセ・ムヒカ元大統領のスピーチを人間の幸福論という視点で考えてみました。

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ホセ・ムヒカ元大統領の経歴

ホセ・ムヒカ元大統領は、1935年ウルグアイでも貧困な家庭で生まれ育ちました。 そして貧しい家計を助けるために家畜の世話をしてり、花を売るなどしていました。

1950年代に入るとゲリラ組織(ツパマロス)に加入します。ゲリラ活動中に4度の逮捕と2度の脱獄を経験しています。1972年の逮捕後はウルグアイの軍事政権が終わるまでの13年間、人質として投獄されていました。

出所後はゲリラだった仲間たちと一緒に政治団体を立ち上げ、1995年に下院議員に当選します。そして、ついに2009年11月の大統領選挙に当選し、第40代ウルグアイ大統領としてその後5年間務めあげました。

ホセ・ムヒカ元大統領が世界一貧しい大統領と言われるのは、大統領邸に住まずに質素でつつましい生活を望んだからです。そしてなんと大統領の報酬の9割を寄付して、大統領自身は月給10万円ほどで暮らしていました。

世界一貧しい大統領の幸福論

ホセ・ムヒカ元大統領のリオ会議でのスピーチの名言から、環境問題に留まらない人間の幸福論とも言えるその深い思想の世界をのぞいてみましょう。

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世界中の人が先進国と同様の生活をしたら地球がもたない

ホセ・ムヒカ元大統領のスピーチで最初にインパクトのあった名言がこれです。

ドイツ人が1世帯でもつ車と同じ数の車をインド人が持てば、
この惑星はどうなるのだろうか。
--- ホセ・ムヒカ元大統領の2012年リオ会議でのスピーチから

ウィキペディアで国別の自動車保有台数を調べたら、ドイツは1000人当たり572台でした。日本はドイツとほぼ同じで591台です。

GDPランキングベスト10の国別で調べてみると次のようになります。

<GDPベスト10_国別自動車保有台数(1000人当たり)>

1位   アメリカ合衆国   797台
2位   中国         85台
3位   日本        591台
4位   ドイツ       572台
5位   イギリス      519台
6位   フランス      578台
7位   インド        18台
8位   イタリア      679台
9位   ブラジル      259台
10位  カナダ       607台

この統計をみるとGDP10位までの国のほとんどが2人に1人以上の車の保有台数になっていることが分かります。しかし、気になるのが中国とインドの保有台数が他の国と比べると桁違いに低いことです。

人口で世界で1位、2位の中国とインドの人口を合わせると27億人にも及びます。これは現在の世界人口のおよそ35%に当たります。

2016年での世界の車保有台数は、13億2,421万台です。 もし、中国とインドが日本やドイツなみに車を保有すれば、約2倍の26億台にもなってしまいます。

これでは、ホセ・ムヒカ元大統領の言ったように地球は耐えれないかも知れません。そもそも世界76億人が、ドイツや日本のような大量消費をしたら1つの地球の資源ではとても足りません。

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物欲中心の大量消費社会では人は幸せになれない

ホセ・ムヒカ元大統領は、無限の消費と終わりのない発展を求める資本主義では、人は幸せにはなれないと言います。

それは次の名言によく表現されています。

私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。
幸せになるためにやってきたのです。
--- ホセ・ムヒカ元大統領の2012年リオ会議でのスピーチから

無限ともいえるハイパー消費社会が地球を壊しつづけています。 しかし、もっと怖いことは私たちの人生をも破壊しつづけることです。

ハイパー消費社会を存続させるためには、大量の物質(商品)の生産、消費、廃棄を永遠に続けなければなりません。そして労働者はまるで回し車で運動するネズミのように、大量消費をするたのお金を稼ぐためにあくせく働いているのです。

人間が幸せになるためにそんなにも物が必要でしょうか。 ホセ・ムヒカ元大統領は先人の言葉を引用して次のようにスピーチの中で述べています。

貧乏とは少ししか持っていないことではなく、
限りなく多くを必要とし
もっともっと欲しがることである。
--- ホセ・ムヒカ元大統領の2012年リオ会議でのスピーチから

ハイパー消費社会は限りない物欲を助長してしまいます。 これでは海水で喉の渇きを潤そうとするようなもので、いつになっても物欲地獄から抜けられません。

人間は、普通に生きてくために必要な最低な物さえあれば十分なのです。私たちの幸福のカギを握るのはそれ以外のものです。

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幸福になるには生活スタイルを変えること

ホセ・ムヒカ元大統領は、環境の問題も個人の幸福の問題もその根本的な原因は、私たちが生きている社会モデルにあると言っています。

しかし、個人が社会構造そのものを変えるのまず不可能です。それではもう絶望なのかというとそうではありません。ホセ・ムヒカ元大統領は、社会構造を変えるのは難しいが個人のライフスタイルを変えれば幸福になれると説明しています。

つまり、世の中を恨んで幸せを放棄するのではなく、世の中に左右されない生活スタイルを築けば、私たちは幸福を手にすることが出来るのです。

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 - 名言, 幸福論